熊本大学「有用植物×創薬システムインテグレーション拠点推進事業」
これまでに世界中から約3万種にものぼる有用植物を採取してきています。本プログラムの中で、これらの生息地からの情報提供を受けて生息環境のデータを取得し、日本で栽培できる条件を設計し、大量生産する技術を構築することを目指しています。また、この動きの中で利益を得るのが日本や他の先進国だけではだめで、相手国への貢献も考え、国際条約を守りながら、各国と信頼関係を構築していくことが重要です。地道に知を集積し、持続可能な研究を実現する世界的なネットワーク拠点を形成して、ローカルの知恵と資源をグローバルに展開することを目指します。
熊本大学は、レトロウイルスの研究では日本で最も歴史があります。AIDSを取り巻く本学の研究開発の強みを活かし、世界から集められた有用植物から本疾患に対する有効成分をスクリーニングし、そして熊本大学オリジナルのヒト疾患モデル動物を開発して、前臨床試験までを進めていきます。このプログラムから生まれる成果により、世界を悩ませるHIV感染症の治療薬を開発できる可能性も十分にあると考えています。決して楽な仕事ではありませんが、様々な分野の先生方とチームとなり研究を進められることにワクワクしています。
有用植物インテグレーションシステムより得られた高品質有用植物の安定供給を実現するためには、従来技術では品質再現が困難であることから、新たな有用植物生産システム(土耕型水耕栽培)を構築し、低コスト・短期間での安定供給を実現。
有用植物ライブラリー9万種の情報から、創薬に不可欠な活性成分の特定・評価を効率的・効果的に実施するため、自動化・一貫して実施する評価システムを構築するとともに、前臨床試験の確度を格段に高めるヒト疾患模擬モデル動物を開発する。